 今回の調査登山について先ず下の二つを読み、見て下さい 子の泊山、新荷手野峠から浅里登山口コース図地図にリンク 今回の調査登山の説明のため頂いた短誌、 子の泊山、その伝説と遺跡、にリンク |
| 会の調査登山について、新宮山彦ぐるーぷ、世話人代表玉岡憲明さんの調査報告 千年の歴史を今に甦らせる、子の泊山稜線 落人塚 調査 玉岡憲明 |
「花書よりも軍書に悲し吉野山」 程の規模とは較べものにならないが、全国唯一の子（ネ）とつく山で今や余に知られるようになった子の泊山に悲しいものがたりが秘められている それは武蔵坊弁慶や新宮十郎行家を研究されている前、新宮市長・上野哲弘（あきひろ）氏の手に依って明らかになってきた。 十郎行家は父、源の為義の末子として新宮に生まれ、長じて熊野一帯を支配し、以仁王（モテヒト）令旨を全国の源氏に伝えて平家妥当に紛争したのであった。 頼朝の擧兵に応じて奥州より馳せ参じた義経は一軍の将として、一ノ谷、屋島に続いて壇ノ浦で平家を滅ぼしたのであったが、後白川法皇の策謀にはめられ、梶原景時の讒言等のため頼朝より追討の身となるのである 行家は甥の義経を終始扶けた為にその配下であった土着の赤井蔵光とその一族郎党はこの山に追いつめられて全滅の憂き目となった 私は去る１月２６日、上野氏と蔵光塚の実見に赴いた降り、荷手野峠から蔵光塚にかけて点在する小さな石積みを見て、これらは郎党達の塚だと直感し、慰霊と共に後世に伝えたいと考え今回の行事を組んだのである おそらく合戦のあと暫くして、ほとぼりの冷めた頃、遺族達が山に入って、衣類や持ち物から親、兄弟、息子を想定し遺骸を埋めて石を積んだのであろう。昔の埋葬の仕方はこのような方式で、よくあちこちで見かける 事前にYさんと二人で標板と杭材を調達、Y氏、K氏、が制作、私が２９枚の標板に記入して本日に備えたのも、日時にゆとりが無く白ペンキを塗る事が出来ず、素板に書き込んだ 前日の２２日、基点となる荷手野峠の所在を調べに入ったものの、西側一帯が皆伐されているのと、東側一帯の旧杉山地区集落が無人化して、峠を往還する人も絶え、暗い雑木林の中に径型を見出せず、先ほどの峠を新荷手野峠として標識を設定したのであった そして、峠より蔵光塚までタイムを記録しながら各塚を算定し、蔵光塚を１７番目と記録した。 舗装林道の詰め（これより地道の作業道）に手頃な桧の立ち枯れが二本あり１０本の標柱を物にして持ち帰った この日峠で２０番までの板を小杭に取り付けて各自２本までを手にして尾根筋を辿り、前日のメモに基づいて「一の塚」より順次設定して歩を進める。 ｐ616のピークは展望が良く、果無、玉置山、一族山、鵯山、（ヒヨドリ山）鷹巣山等を捉えて小休止、。車止めから伸びている作業道を少し辿り、その終点から林の中を急登して、「１７の塚、蔵光塚」に到達した 背丈よりも高い。しっかりとした石積みで流石、大将の貫禄あり。Yさんは夏みかん１０個程やあめ玉をお供えし、ローソクを灯し、線香を各自一本を添えて一同般若心経を唱えて、赤井蔵光をはじめ、この合戦で討ち死にした一族郎党の霊を慰めた そして上野さんに一連の伝承についてご説明を頂いた お下がりのミカンで元気を付け、再びくらい尾根を辿る 尾根が直角に折れる878ｍピークへの登りは身はあえぐ、。和気の森、怱忙の鼻との接稜点付近に憩うに良い場所があり、一も二もなく腰を下ろして昼食とした。 天気予報は午後、雨の公算大でシートを用意してきたが日差しも差し込んで、伸びやかな一時であった 食後を見計らってTさんが２リットルの水、コンロ、コッフェル携行でコーヒーを供して下さった 蔵光塚から何故かこの接稜点まで塚は見かけなかった蔵光屋敷（地蔵谷）より尾根を敗走してきて、蔵光塚の地点で大将を討ち取られ、次々と力尽きた物であろう。 次の「十八の塚」は接稜点より少しの所と子の泊山頂き南直下に四期ありその後はヤケグラ分岐手前の「二十三の塚、七十五人塚」であった おそらく供養のため積まれた物で七十五人を埋めた物とは考えられない 今一基、鉄甲塚と言うのが奥野々に有るとの事、これを一番として荷手野峠へ順番を打変えねばならぬ 又林道のため尾根筋を通さなかった部分や、新荷手野峠より荷手野峠にかけて、それらしい塚を見かけたので余った六本をそれらに当てれば作った標識は全部消化されるであろう そして林道詰めに一枚と峠までの分岐個所に二本二枚の標識をその折りに建てる事にしたい。 大手術の後のS氏は意欲満々で、ヤケグラ分岐からT氏同行で山彦新道を降りられた 心配していた雨にも降られず初期の目的を果たし、皆も初めてのルートを歩いて満足であった。 落人達の霊も少しは慰められたであろう 以上、玉岡氏の報告をここに掲載しました この報告から今回の作業登山を推測してもらいたい 写真は私の写した物です |
| 車到着点から各自荷物を分散、新荷手野峠に向かう シマヤン小杭を担ぐ  |
新荷手野峠で小杭に名盤を取り付け、各自分散して持つが、稜線は傾斜があり、杖の使えない状態  |
稜線は半分が伐採され紀伊半島の山々が見晴らせる。最高のルートだ  |
最初は急な稜線上に数十メートル間隔で塚が存在した  途中に○光山と書かれた名盤が建っていた。容易に蔵光山と書かれていた事が想像できる もう一枚字は完全に消えてはいたが有るのを見た     |
このルートは付近の山岳会の訓練ルートでもあり、道標は有るが一般的には知る人は少ない   |
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大将級の塚だろうか蔵光塚と呼ばれてきた大きな塚で７５人の霊の弔いをした  |
残りの名盤を小杭に取り付け作業をして 急登をあえぎながら登り、見晴しの良い878ｍ付近で昼食、休憩もそこそこに山頂に向かう この付近からはマスマス険しくもルートは面白い   蔵光塚からは山頂までは一塚を見るのみ、塚は急に少なくなった    |
山頂に着いた 山頂で一休み、今西錦司先生の発案の万歳をする 子の泊山は十二支会の発会の地でもあるからだ （十二支会、とは今西錦司先生が発会した年に一度干支の名の付く山に登るという会で全国に会員がいる） もちろん今年は子の泊山に登った  |
浅里登山口方向に４ツの塚が1ｍ間隔で並んでいた |
最後にヤケ嵓分岐の手前に７５人塚と呼ばれる大きな慰霊塚が有り、ここに名盤を取り付け今日の作業は終わった |
シマヤンと二人ヤケグラから下山、車をノブヤンに回送してもらう このヤケグラは山彦新道と呼ばれ、子の泊山ルート最急ルートでもあり 天気が良いと熊野の景色は最高です   途中にあるナメリ滝は美しいし迫力がある   |
分岐から登山口までは５５分と速いスピードで下った  |
| 登山口下ではノブヤンが待っていた 初めての三人で新宮山彦のメンバーと作業登山 我々山歩隊も少しは役に立てた事だろう 戻る |