前鬼
黒谷峠から黒谷の頭と牛抱峠
2018/03/28
4人

黒谷の頭への登山者は少ないだろうが、昭文社のエアリアマップには、三角点名の黒谷峠として其の場所を示している
黒谷峠とは前鬼から小池の宿との往来道で、最終は十津川の滝川、花瀬とを結んだ峠である
大峰奥駈道には嫁越峠として其の道跡の名を残すが、黒谷峠は点名で其の名を残した
牛抱峠は昭和31年頃まで林道前鬼線が開通するまで前鬼の里への主要道に有った峠だ
駐車地には車は少ない。これからは大峰ブルーの青い沢として前鬼川の沢登りや釈迦ヶ岳への登山者達の車で賑やかな所だ
前鬼まではルンルンで咲きかけの花や景色を楽しみながらワイウィ
  
前鬼の里は三叉の花の群生が有り綺麗だ
少しでも距離を短縮と途中から昔の畦道を直登する。
途中に大峰奥駈道、靡きとしての前鬼の里の歴史が書かれている
 小仲坊
下北山村指定史蹟
役の行者(小角、おずぬ)が大峯山を拓いた時、(白鳳三年、六七六)其の弟子義寛と義賢の夫婦が修験道の行場守護の命を受け、
この地(前鬼)に住みついた。(前鬼村誌) この夫婦に五人の子(五鬼)が有って、五鬼熊、(行者坊)五鬼童(不動坊)五鬼上(仲之坊)
五鬼助(小仲坊)五鬼継(森本坊)と称し、代々館を構え連綿として、この修験道の聖地を守護してきたが、時代の返還と共に明治の末期から、つぎるぎと姿を消し、今はわずかに五鬼助(小仲坊)だけが残って、単身、1300余年の法灯を護っている。

                                                                  下北山村教育委員会
小仲坊は誰もいない。
ヒッソリとたたずむ里は無人だが歴史を感じる。
山に登らなくてもこの地に泊まり歴史を感じれば、心も体も休まるだろう

連絡先: 土日祝: 07468-5-2210 (小仲坊現地) 平日 : 072-834-1074 (小仲坊 第61代当主: 五鬼助義之さん) ※営業は土日・祝日のみ 一泊二食: 8,000円 素泊まり: 4,000円 30〜40名程泊まれる無人の宿泊所があり、平日など営業していない場合でも利用可能(お金は集金箱に入れておけば良い) テント: 600円 テント場は小仲坊の直ぐ下にある平坦な芝地 トイレ: チップ制の水洗トイレが設置されている 水場: 本坊前に給水設備(水は豊富) その他: 日本酒、ビール、コーラやジュース類なども売 ...

冬季は営業はしていない
小仲坊無人宿泊所(4000円)の横から黒谷峠に向かう
  
直ぐに沢が出て沢を渡り、馬酔木の中の踏み跡をたどって、もう一つ沢を越えると取水口が出る
  
  
途中に取水パイプが出るから解りよい
其の取水口の手前に赤○印があるそこが、黒谷の頭の登り口だ

取り付いてしまえば後はマークが賑やかだが、急傾斜は心臓パクパクのショウタンには荷が重い傾斜だ
又、今年の春一番だろうか、巨木の栂やブナが幾つも倒れ、尾根を外すテープに釣り込まれないように、尾根中央を登ろう
途中に出る釈迦ヶ岳を中心に見る大峰奥駈道の山々は美しい
今年は少し早いのか、隣の尾根にタムシバが山を白く染めていた
  
目標の丸いピークまで320mの直登は汗を流すだろうが景色には不満は無い
丸いピークには新宮山彦ぐるーぷが設置した道標があるが、小池の宿と有るのは、正しくは小池の宿跡で、避難小屋等は無いから注意して下さい
  
丸いピークから1152mピークに向かう下りこんだ所が、古道にあった黒谷峠の位置かもしれない。
三角点、黒谷の峠の点の記には、

下北山村大字前鬼より十津川村字花瀬越えの第一峠即ち黒谷峠を左折八町にして本点に達す
峠よりは熊笹茂りし行路無し。
と、点石を持ち上げたルートを明治36年の点の記に書かれている


三角点名と山名、地名の黒谷峠を混同してしまえば困った話になる
三角点の点名は黒谷峠、山名は黒谷の頭、峠の名前は黒谷峠だ。

峠の位置は、花瀬に向かう第一峠とあり、点石まで八町、約880mと有ることから、逆算すれば1152mピーク付近だろう


尾根は二次林だが、自然な尾根は美しく癒される。
心臓がパクパクと唸りを上げるが、同行の仲間は次回の山行の軌跡取り込みをメーンに楽しさは倍増だろう
  
後少しで黒谷の頭に近づけば、尾根は細くなり石楠花が邪魔をする。
石楠花が生えこんだ、岩の間に斜めになってしまった三角点、黒川峠が鎮座する。
  
ワイワイと登ればここまでの総時間は4時間を要したが、景色や山座同定とユックリと登りを楽しんだ時間だ
山頂の日当たり場所で食事を楽しみ、バリエーションで牛抱峠を目指す
休場の尾根にはマークが有るが、休場の尾根から分岐して、3月18日に新宮山彦ぐるーぷが前鬼道(牛抱坂)探索時の出会いまではマークなどは無いが、植林跡が有り尾根は歩きよく景色も楽しめる
 
牛抱峠に向かう分岐にマークが濃く巻かれていた。
牛抱峠の有る尾根ピークを目指す
  
植林を試みたのだろうが、食害で全滅状態の杉やヒノキ、途中には完全に禿げ上がり木の無い斜面が出た
大タワ尾のピーク 998mが見張らせた
其の向こうに十郎山が美しい。

メーンな奥駈縦走路は登山者も多いが、こんな外れに登る方は少ない
私も、新宮山彦ぐるーぷに属さなければ先ず今回のルートは取らなかっただろう
バリエーション好きな、読図の好きな方達の登攀を期待し、このルートを紹介するショウタンだ


牛抱峠に向かうピークから牛抱峠までは、少し雑木が邪魔をするが、たいした問題では無い
倒れたネットに足を絡まさない用心が必要なだけだ
  
新宮山彦ぐるーぷが残したマークが出れば牛抱峠は近い
新宮山彦ぐるーぷの仲間の位置表示の牛抱峠が歴史を護ってくれるだろう
牛抱峠で14時55分、少し急いで下山に係る
先ずトラバース状にウリネ谷に下り、休場の尾根に登り返す。
直登で登ろうと試みたが、傾斜が有りすぎややトラバースに登り、尾根を目指した
やや等高線が広くなるところにソマ道が有るさと確信を持って登れば、ソマ道が出た
  
ウリネ谷への下り                  ワイヤーにマークから休み場の尾根に登り返した。    ヤット緩やかな斜面で笑顔が
休場の尾根は植林が多い。
今上天皇の即位を記念して植林されたが、食害がひどい状態だ

休場の尾根は急傾斜だが慎重に下れば、良いだろう
今日の、上級者は尾根をトントンと跳ねるように下る姿は惚れ惚れとする身軽さだった
私は、爪を傷めてヨタヨタ、まっテー
 
登山口には16時55分についた
今日も一日楽しい登山が出来、仲間は軌跡を残し、マタマタ仲間と共にルートを楽しんでくれるだろう
余談


8年で154500km我が友のホンダフィット、今日は最後の運転だ。
タウンカーのフィットだが、山道、雪道、ドロドロ道、私と共にがんばってくれた
今日を最後に、明日は廃車だ。
燃費は何時も18kmは維持して、最高は四人乗車でリュックを積んで22.5kmの燃費をたたき出した
不満なところはクッションの悪さだが、タフなホンダ車だった
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