玉置山、宝冠の森と十五夜の卯月山
2023/09/29
4人



距離12㎞、総時間8時間8分

干支の名を持つ山に卯月山が有る
名の起こりは、十津川村の折立地方から見て中秋の名月、十五夜は真東の山頂に出る事からそう呼ばれるそうな
別名に王走山が有り、これも大峰奥駈道の花折塚をご存じなら、南朝後醍醐天皇の皇子、護良親王大塔の宮が吉野から敗走
追手を大峰十津川玉置山の北でシンガリを務めた片岡八郎が熊野別当、定遍の軍勢と戦い大峰で討ち死にした
護良親王、大塔宮は滝川辻から滝川に逃れたと言う。ゆえにこの山を王走山とも呼ばれる
花折塚は住民が片岡八郎の墓を作った所です



新宮山彦ぐるーぷ、初代代表、玉岡憲明が卯月山に残した碑文

ヤマレコ地形図軌跡にリンクします

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メーンは卯月山でしたが、一山ではと長らく温めていた大峰行者の番外行場の宝冠の森を加えた
距離は無いが、宝冠の森は鎖場、痩せ尾根、急傾斜と厳しい事でも有名です
又、卯月山は明治に植林された勧業林が100年を迎え、間伐伐採が進み林道が開かれ古道が分かりにくく成っているとか
超健脚なら、折立から卯月山、玉置山、宝冠の森、玉置山登山道で周回が面白いだろうが、今日の一人を除き平均年齢は高い
山頂を主にコースを組んでみた。

今日は中秋の名月、十五夜でもありロマンは高まる、久々の満月が見れるであろう快晴の登山だ

玉置神社駐車場からスタートだが、私は時間的に車をかつえ坂登山口にデポ、三人は玉置神社、巻き道で勧業林の碑の地点で出会う事にする
よって、私はかつえ坂からの記事を書く

  

かつえ坂は玉置山への登山口の一つでミニ登山が味わえる自然林の美しいコースです
後で同行のsunaoさんが巻き道で来ると思った。の一言で山頂越えでなくても、かつえ坂登山口から、勧業林の碑まで巻き道が有る
マア、気づかない私は玉置山を越えた
  

山頂には一等三角点、玉置山と沖見地蔵、釣鐘等で楽しめる

急いで勧業林の碑の四ツ辻に下る
  

宝冠の森へは50分と有るが時間にこだわらずビスタリーとユックリ安全を基本に歩いた

勧業林の碑と上平主悦(うえひらちから)の石柱が建つ
三人はすでに着いていた
現在玉置神社は修復工事中で見どころが無く早く来たと言う

一休みで宝冠の森に向かう
最初の鎖場が出るまではフラットな自然林の中の小道だ

 
道間違いを防ぐロープが有る
その先から小岩が露出して険路と成ってゆく

急傾斜をユックリと下れば、ここが鎖場かと言う感じで鎖が出た

緊張して鎖場を下ったが、案外下りよくジックリと見れば足がかりは小さいが有る

 

 

小さなギャップ(コル)に四人は狭く危険だ
直ぐに登り返す鎖、次々と登る
2mの登りが問題ですが 登れば痩せ尾根だが問題はなかった
また鎖場が出て、安全確保で一人ひとり下る

 

鎖場、痩せ尾根、鎖場と続く
  
小さなコルに下り一休みだ
後ろに若者が二人続いている
平日のしかも宝冠の森、しかも同郷の二人だ
挨拶と共に次の登りを先に行っていただいた

  

登り切れば、宝冠の森の行場、その先は見晴場だが下調べも薄く山座同定は出来なかった

 

宝冠の森に引き返す



各記事では磐座の下にヒデが置かれているが、ヒデは一枚も無く護摩を炊いた跡の炭だけが残っていた
ここは番外の行場で行者さんの訪れも少ないのだろうか
立派な鎖、クライミングロープの補助、等は有り難い

出会った若者二人とカタライ、少し休憩した
玉置山山頂に引き返す

逆に登りの鎖場と成ってゆくが、各鎖場は登りには私的に登りよい
同行者も、鎖を待たない方が登りよいとクライミングで登っていた
私はお鎖様を大切に持ちました 

   
核心部を登り切って一休み
玉置山に向かいます

  

鹿が下草や実生を食べ青いものは少ない
岩場に野菊やシコクママコナ等が有るのみで、久々にツキヨダケを見た

山頂は靡きです
中央に一等三角点が有り見晴らしがよかった山なのでしょう

 

一等三角点
基準点名 玉置山
緯 33°55′35″.7034
東経 135°49′53″.8217
標高(m) 1076.80
所在地 奈良県吉野郡十津川村大字玉置川字松平397番地
選点、明治18年11月

少し風も有る
日陰で昼食を楽しみ、来年の石楠花開化を見ると花芽は少ない
かつえ坂に向かって下る
  

かつえ坂途中で目的の卯月山を同定する
見た目は優しそうな山だが
登山口の世界遺産記念碑横の展望台に下る
勧業林の事や、幕末の志士たちが十津川村から出て村が荒れた事
明治に多額の資金をもらって植林に力を入れた事、天王山や勧業林、北山川等の事が書かれている

デポした車に不用品を置き、舗装林道を折立古道取付きに向かう

新宮山彦の仲間が卯年の為と新しい道標を、古道を主に作ってくれた
道標から卯月山を目指す
  

古道取付き道標は少し見えにくいかもしれない
道の凸地が有れば注意してみよう

入ればトラバース状に古道が伸びる
状態は良い
一旦林道に飛び出し、林道を下れば、急カーブの先に古道入り口が伸びる

 

細いが山肌に道が伸びる
地形図から等高線が狭まる所は道が残っているかと不安も有った
道は土石が道に積もり山肌状に30m程度成っていた
底の厚い靴でけり込みの足跡が有った。単独だろう
それに足を合わせれば安定して歩けた
一本の倒木は潜る
谷は思ったより超え良かった

道標かと思った石柱は境界用だった
先に進めなければそれを登ると林道道に出るはずだ

その先は痛みも少なく、小枝や小石に注意しながらやや下り気味に歩く
石積みなどは残っていた

来た方向が玉置山だとの道標が出る
その上で林道に出会う

林道に出て更に下れば少し広くなった滝川辻に出る
滝川辻には石柱道標と地蔵、山彦会員の道標が取付きっを示す 

  



滝川辻から標高差150mは傾斜も有り一汗流す
体力が限界に来た私だ
ビスタリービスタリー

山頂には山名板も賑やかに三等三角点、高滝が有る

  
見晴らしが有れば人気の山だろうが、見晴らしはまるでない
三等三角点、高滝の点の気を書いてみよう

三等三角点名 高滝
北緯 33°57′00″.9436
東経 135°49′24″.3227
標高(m) 943.06
選点 明治36年5月10日
所在地 奈良県十津川村大字折立字中谷上総山505番地

熊の多い折立の山、爆竹を鳴らして人の入山を熊に知らす

デポ車まではオール林道だが緩やかに全て登りだ
疲れだした足に歩行は遅い
三人にペースを乱さす
途中の古道には花折塚への案内道標が出る
情報によれば、少し道が分かりにくい所が有るようだ
そんな時は上に上にと登れば林道に出るはずだ



時間が足りないと判断して花折塚はパスだ
林道を道成に上り詰めると、少し理解しがたい行政の道標が出た
林道が出来る前のものかもしれない

 

舗装林道横の高台に展望台が有る
写真で山の位置を知らせてくれるが山が多すぎてここも山座同定は出来ない

舗装林道を歩いてデポ車に帰った
 
 
今日の癒しの花は野菊(ノコンギク)とシコクママコナのみで花は少なかった

全行程、12km、総時間は八時間八分だった

帰路に道からチラッと見え十五夜は大きく丸く、感動するものだった
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