火打岩谷から荒神岳周回
2016/07/05
二人

コースタイム
P 8:15-火打谷橋08:18-二股滝09:15-10m滝10:10〜10:20-荒神社P10:57-小休憩-荒神社やしろ11:10〜12:05-
荒神岳12:30小休憩-地蔵峠13:35-深層崩壊上13:58-北股集落14:35〜14:53-P15:10
総時間約7時間
移動距離約10km、累積標高667m 累積下降667m
奈良県の野迫川村北股から古道で立理荒神、荒神岳、北股と周回してきました
登りは、火打石を切り出した火打岩谷の沢を遡上して、シャワークライムは避け、登山靴で沢内を登りました
今は火打岩谷は火打谷と呼ぶ人がいるが、火打岩谷が正しいと地主は言う。
奥高野エアリアマップを書いた中西政一郎氏、中庄谷直氏もそうかいている

沢靴であればシャワーやゴルジュを少し楽しめたのですが、今回は涼しい登山が目的でした。
今この記事を書くに、沢装備で登れば楽しかっただろうと大いに反省する沢でした
地図の場所に路駐して 火打谷橋から沢に入る。地理院地図通り入るのなら、駐車地点の直ぐ前にその入り口がある
以前、荒神岳から尾根を直下して此処に下った
 
火打岩谷入り口は火打谷橋から右岸を入る
 
この入り口直ぐに火打石を切り出した洞窟が有ると言うがそれは見えなかった
橋より下流かもしれない
最初はナメ滝が綺麗で、登山靴ではヤヤ滑るが、足運びの練習として登山靴そのままで登った
そのため、ヘツリや沢渡渉は慎重に行った
万が一、すべりで歩けなくなれば、靴に縄を巻く子供の頃楽しんだ方法に切り替える準備はしていた
 
最初の二股までは略ナメで滑りを用心すればいいだけの沢、
岩は赤い岩でその名が付いた意味が分かる気がする
途中で石を拾い、火を打ってみたがあまり火花は散らなかった。
石に白いのが含まれていないとダメだと、下山後の地主の話だ
鉄分が含まれたような、鉄石英と呼ばれる石なのか赤い石や岩が多い
  
直ぐ横に破線道が走る。
人工的に作られた丸太が落ちていた。破線道に上がる丸太階段か?
もう少し沢内を歩こうと登った
最初の二股までは沢内もチャブチャブだ
 
倒木が出た。
モウ破線道歩きが最適と、最初の二股まで現在地特定をしながら破線道を歩くが、その跡は薄い
  
最初の二股を特定して、読図から道はそこだが、道は巻いているようだ
相棒は巻くが、私は小滝の上にトラバースで乗った
久々の緊張したトラバースだったが、沢靴なら問題が無いだろう
巻いた相棒は巻道も分からず尾根に乗ったが、これも岩でダメだ
動物道を探り沢に来た。
チョット難所だ
  
二股付近                        8m二段の滝、下滝の上をトラバース                二段の上側
此処からは、小滝の連続で綺麗だ
  
  
                                   右の二段の滝は高巻いた

  銚子口から下を見る
二段の滝を各所から写した写真↑

二段の滝は綺麗だ
此処は沢装備なら面白く登れるだろうが、高巻いた
此処までの略は滝横を登った
登山靴だが、水の浸入は無く、ズボンは濡れたが問題は無い
沢装備で来ればよかったと悔やまれるが、涼み登山だ。マッいいかと諦める

二つ目の二股は右にとって10mの滝を見に行った
  
大友山下で最右手を登ると10m滝が出る


10mの滝は水量は少ないが、見事な滝だ
確保があれば登れるで、と闘志をかきたてられた。
沢部分は此処まで、
10m滝から真横にトラバースで尾根に乗る破線道を目指す
一度、滝横から直登で荒神社に出る尾根に突き上げ登った事がある
破線道尾根は植林内でブッシュは無い
尾根下付近は、道跡は薄いがそれは読み取れる
道跡のような所を登ってゆけば最後にはっきりと道が出る。
地形図の破線位置を気にしないで道跡を探り登ろう
  
滝横から水平にトラバースで尾根中央に移動              右二枚は尾根道の様子
荒神社参道に出る。出るところは階段が有り広い凸道だ。出れば荒神社の駐車場が有る

 
道を歩けば直ぐに荒神社下の入り口の駐車場出でる。
平日は売店は閉まっている所が多い
鳥居をくぐり登る。神官がいたので下の滝名を聞いたが、名は無いという
東側のタイ谷の滝なら知っていると言った。
  
鳥居付近から見る景色は最高だ。
昔人は、あの特異な稲村の大日から大峰山を知り方位を確かめたものだろう。
やはり、山好きならあの山容や、付近の山容に興味が出るのは当たり前と感じる綺麗さだ
二重、三重、四重の山襞の景色は最高でうっとりと眺める相棒
社殿前で泡茶を頂き良い気分だ。
荒神さんもお酒がすきなのか、お供えにお酒が多い
荒神さんと二人で頂く泡茶は目茶美味しい。ゴックンと一飲みだ
相棒手製の素麺サラダを頂き古荒神の荒神岳に向かう
本当なら、一旦下り電波塔横から入るのがルールだろうが、ゴメンなさい
五社神社横から入った。お賽銭ははずもう 汗
  
罰当たりが多いのか、テープが巻かれ踏み跡が有った。
尾根に乗ればワイルドなルートだが、踏み跡は濃い。
  
ヒメチャラの花やネジ木の花が咲いていた。
神官の話によれば、三角点の乗る山頂は荒神岳で、元荒神は三角点と神殿の間にあったとの事
その地点は明らかでは無いが途中の小ピークだろうと思った
立ち木が無ければ、大峰は目の前だ。
三角点の乗る荒神岳に登った。
 
山頂にはピンク板の山名板が有り点名が記されている
点名は古荒神です
仲西政一郎氏は、この山頂を古荒神岳と表し、荒神社の神殿が乗るピークを荒神岳と表している
点の記から見れば、古くは俗称は古荒神だったのだろうが、訂正抹消されている
又、地主がおっしゃったように、谷は火打岩谷が正しい

地理院の現在標高は1260.10と成っている
現在地図には、古荒神の荒神岳から地蔵辻まで破線道が書かれているが、明治44年測量大正二年1/50000地図にはその破線道は無い
大正二年製版の地図
比較的新しい道だろうが、ショウタンの仮説に寄れば、高野山に参詣して立理荒神に行き、小辺路へと入り熊野に行くには、地蔵尾根を下り、平、大又、小辺路と入るのが近道だ。
そんな空想を地主に話せば、地主は、そうかもしれないが、地蔵尾根に残る道は営林署作業道路として使っていたと言ったが、地蔵が祭られていた事から察してその空想が働いた。
地蔵については少し先に書こう
三角点、古荒神から南へ入る。道はワイルドな部分もあるが比較的綺麗で、自然林は美しく、ブナや水ならコナラは綺麗だ
一箇所分岐注意の所は踏み跡は薄く、この付近を調査に入った学者が迷い捜索したことが有ったと地主の話
尾根分岐点に一巻きの印を残したが、私達は読図から直接尾根に乗っていったが、下って気がつくが、尾根分岐点より、南20m地点に踏み跡程度の道が出来ていた。
  
                                                           ↑
                                                       ↓

                                                分岐注意地点

                                                 
                                           このテープは外さないでほしい。迷えば怖い奥高野です。
                                           私は滅多にテープを打ちませんが、此処は必要と感じた。
1125mピークを確定して次の1153mピーク北下から東側を巻く破線道に乗ろうと古道を忠実に歩いた
1153mピーク下の分岐点は踏み跡は薄く、動物がその跡を残していた
そこに入ってゆけば、道は綺麗に残り地蔵峠に出る
 
                                                         分岐付近

奇形なブナと松が出てその先の尾根に二本の松が出る
そこが、地蔵峠だ
  

 地蔵峠から尾根を見る
此処からは2m程度の道が伸びてゆく。
此処に50cm程度の地蔵が安置されていたそうだが、誰かがいたずらをして無くなったとか
多分谷に有るだろうがとの話
道成りに歩いてゆけば、1153mピーク南西尾根越えの所に30cm程度の地蔵が埋もれる寸前であった
 
相棒と二人で地蔵を起こし、付近の石で仮に立て直した
この地蔵は、高野山奥の院から運ばれたものですと地主の話
いたずらでなくなった地蔵峠の地蔵を最安置しようと、高野山に相談して、奥の院にあった地蔵仏を頂いた
ところが、位置を間違ったか、重くてそこまで運べなかったか分からないが、そこに安置したそうな、そんな地蔵様だそうです
聞けば面白い話しが出るものだ。
 
綺麗な小道をドンドン下る
下ってゆけば、平成23年台風12号の大水害で深層崩壊した谷上に出る
 
見れば怖くなる崩壊跡だ。地主の山が丸ごと無くなったとか
崩壊跡と植林の際を下れば、モノレールが出る
これに沿って小道が走る
  
道どおり下れば、寺マークの参道に出る
  

整備された参道を下れば北股の旧道に出る
 
一軒の店を見て、泡茶泡茶と駆け込んだ。
その主人は、火打岩谷や付近の山林を持つ主人で消防団長さんだ
又、火打岩谷を登る事を告げれば、通れ通れと通行を許し、何でも好きにしろと仰った。肝っ玉の大きい主人だ

地蔵の話、学者が迷った話、滝が有る話、災害時の間一髪の話(車を出して逃げようとした所、目の前を土砂が流れた。
車に乗っていれば多分・・・)
一番面白いのは動物の話
四年間仮設でいた。その間に鹿が庭の木や花を食い荒らし、自分のテリトリーとした。
今は人を恐れず、夜間通行時は、車に棒を積んでいて鹿のしりを叩いて逃げさすとか
学校の先生はジャガイモの収穫時や大根の時期は知らないが、動物はチャンと知っている
猿などは、自分の小猿を網目から入れ、大根を抜いて親に渡し網目から出て山に帰るとか
村人も諦め顔で話す

最後に、携帯で写した熊の写真を見せていただいた
この熊には二匹の子がいる。
捕まえて、隣村との境界に放すが、隣村は又境界に放す
面白い
黙って殺処分なんて主張したがるほど、熊の肝臓は栄養が高いらしい
山で迷った学者を発見して、熊のイを食べさした。下山は私達より早かったとか
昔、野迫川ホテルで熊を食べた経験がある私だが、そんなことは無かった

登るに楽しい小さな火打岩谷、マタマタ沢内だけのピストンなど楽しみたいものだ

  
北股はゴミ一つ無いきれいな集落だ。
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