高天の里、天孫降臨桜とリュックのパッキング講習
2014/04/20
炉端山友会講習にて
天孫降臨桜は、御所市の金剛山の麓、高天彦神社の北東山肌に有り、今は樹勢が衰え付近への立ち入りが禁止されている
樹齢は400年とも450年とも言われているが、根元にムロが出来その年令を感じる

私と天孫降臨桜との出合いはモウ10年以上前だった。その頃の相棒だったシマヤンと、白雲岳から暗く成りかけた山肌をバリエーションで、高天彦神社に降っていた時だった。薄暗い前方に身の毛がよだつような気を感じた時、正面に魔神のような影を感じ身構えた
それが、桜の枯木とは知らずに、一枚の写真を撮ったのが初めての出合いだ。
その後、高天の住民の方々の手によって、樹木医と共に桜を保存されていると聞いたのが、炉端山友会へ入会した時で、今年も村人の許可を得て、その桜と出合い桜の気をいただくことが出来た。

この桜は樹勢が衰えている。今は一般公開されていない。
この木を守るに助力している我会リーダーは許可を申し込み、見学だけを許されたが、桜はすでに散っていた
桜と共に記念撮影をして下山した
小雨が降りだした。下山して、高天の里の小屋をお借りして、会員の上級登山指導者のLeoさんからリュックのパッキング講習と、簡易ハーネス講習を受けた。長年登山をやっている私だが、リュックのパッキング、要するにリュックへの登山道具の入れ方を教わったのは初めてだ。
会に属さなかった私の経験はこんな程度と反省する機会でもあった。
先ず結論から言うと、バランスと軽量化だ。詰め方はバランスと隙間、軽量化に付いては三つ、兼用、共同、パージ、をドウするかと言うことだ。先ずバランスについて机上での講習が始まる。

開口一番、4sの荷物が5sに成るという。?? 4kは4kgでは無いかとお思いかもしれないが、人体のバランス、私達二足歩行の動物は微妙なバランスにおいて立ち座り歩く、私の取得した合気道や武道で言う、丹田へ荷物の重心を持ってくることを、科学的に説くLeo氏、
人は身長の55%程度(男性57%女性55%)のところに重心が有るという。まさに武道で言う丹田(武道の場合は体の中心、つまり弥次郎兵衛の様な所の中心)これを図解で説いてくださった。
4+1に成るということは、バランスが悪いと無駄な力が係る。
図解では、こうだ


リュックの真ん中に中心があると、重力は真下に落ちる。
背中に背負ったリュックは後ろに引かれそれを打ち消すために、人は前向きに力を出す

つまり重心が悪いとバランスが悪く、緑の線の力がより多く係り4+1となる
一般的に言われているリュックの詰め方は、上に重いものを入れ重心を上にすると良いとは誰しもが聞く話だ。
一般的荷歩ではそうだが、クライマーのようなオーバーハングなどを登るときはそれは当てはまらないと説く
それはさておいて
尾根縦走や斜面登り荷歩きではヤハリ、リュック重心が上の方が良い
理論はこうだ

重いリュックを背負えば人は自然に前傾姿勢と成り、バランスを保とうとする
図解でお分かりだろうが、リュックの重心が人の重心を通ることによって、重さ以外の余計な力が要らなくなる
理論的には図解でお分かりいただけるだろうか
ショウタンの頭脳では文章で表すことが出来ない。

これが上重心のバランスの第一だ。
ではバランスよく詰めるにはドウするかと言うことだ。
先ず第一は、リュックの中の無駄な空間を無くし、より小さなバックを背負う。
剛力で、力が有り余りそんなのは関係ないという方は問題外だろうが
 
私の愛用するシェラフとコッフェルと発熱ダウン。この三つは冬用縦走の必需品だ。
これをそのままリュックに入れるとどうしても隙間ができてしまう。
もちろん誰しもが、横に入れたり縦に入れたりと隙間を無くす努力はするだろう
所が、形が有るがゆえに隙間ができるのであって、形を無くせば隙間が埋まる。
所が、コッフェルやガスボンベ、などは形を変えることが出来ない。これは後回しにして
袋に入れるという行為が形を創るのであって、袋から出せばその形は自由になる
そしてその入れ物は軽量化につながり、自由な形はリュックの空白部分を埋めることに成る。
シェラフやダウンジャケット等は行動最後の時に使う。リュックの下に、綺麗にたたんで平たく入れればその空間は少なくなる
もちろん、自由な形のダウンは圧力を加え極力小さくする必要がある。
力がなければ足で踏み込もう。

そうそう、エヤーマットは二三度繰り返し再度エアーを抜けば容量はより小さくなった。
私などはエアーマットがパンクしてひどい目に有った経験からロールマットを使用している
これがかさばりリュックの外付けにしてしまうことが多く、ブッシュを歩く私などは、マットが引っかかったり、マットに穴が開いたりと散々だった
リュックに沿うように入れ外壁を作ることに試みたが、形が型づいたマットはナカナカリュックに沿わない。これはダメだといつも外付けだった
所が巻き癖の反対に巻き直せば、ロールマットは広がろうとする力がリュックを広げる。目から鱗だ。
エアーマットも同じ要領でリュックに入れた。
マットを巻き直しリュックにそって入れれば良い
テント、フライシート、なども袋からだしリュックに詰める
この時、テントやフライシートは、極力綺麗にたたみ空気を抜きリュックに詰める。
これで飛躍的にリュックの無駄な空間が無くなるだろう。
どうしても形が変えられない、コッフェルやガスボンベ等はその特徴を利用して、コッフェル内部に入るものは入れて空間を埋めればいい
ボンベについては、如何に小容量、つまり必要分以外は持たないことだ。一日なら小缶、大缶二つなら、特大缶一つと考えよう
ガスボンベの蓋などは外してグラムでの軽量化に勤めれば、その考えが色んな所でムダを省く考え方が見えてくるだろうと言う
又、食料の無駄な包装、ペットポトル等は印刷した部分など外しておこう。
少しでも山から持ち帰るゴミは少なくという意味からだ
外せるものは外しておけば山から持ち帰るゴミそのものまで少なく出来る。
そしてグラムの軽量化に成てゆく
そして最大の軽量化は3つ、共用、兼用 バージ、だとの話
共用は、グループの共用で、兼用は何を兼用するかということだ。コーヒーカップに味噌汁のワン、鍋にフライパン、等々どちらか一つにすればいい考え、パージは、英語のpurge で無駄を取り除く、フライパンの柄を小さくしたり、代用のものを持ったり、自分で道具をpurge すれば面白い
兼用については、こだわりの有る方も居るだろう。それはそれで大切にすれば良い
又、アイゼンなどリュックに仕舞うに他の物を傷つける恐れのあるものは、もちろん強い保護策が必要だが、雪渓などのトラバースに、12本爪アイゼンよりも、より爪数が少ないアイゼンでの歩行術の習得が大事だという。
アイゼントレの大きな意味がそこに有るようだ。
マタマタ、小さなアイゼンの歩行術を講習してくださるという。
50リットルのリュックに収まっていた全量が、ほぼ30リットルに収まった
私などは、テント一式とロールマット、銀マットを入れなおしていただいただけで、スッポリと縦走2日分の荷物がリュックに収まり、担いでみると重量が軽く感じ、アララ、でした。
Leo講師が言うには、自分の習得した技術を後輩や仲間に伝えることが必要だ。
それによって技術が高まる。と言う
私の未熟なホームページの一端に、ほんの少しその教えを載せてみました。
下手な文章ですが、そんな気持ちで書き上げました。

炉端山友会の仲間の掲示板に書き込まれた講師の文面の一部をコピーして貼り付けました
講師に無断ですが、人柄が現れた名文と思い此処に乗せておきます


おさらいです。パッキングの簡単な要素とは、長々とお話ししましたが、要するに二つ(バランスと隙間)。軽量化については、三つ(兼用、共同、パージ)。

ザックの中でいつも主張する物!? 本当に無駄なもの!

ある程度、ご理解できたでしょうか?

大がかりな軽量化を考えるのではなく、グラム単位の軽量化を意識してください(必ず、軽量化になります)。

でも、あなただけのこだわりは絶対に大切にしてください。癒してくれるだけでなく、きっとピンチで役立つはずです
                                                                 

最後に書き忘れましたが、緊急を要するもの、救急セットやカッパ、防寒等場所を取らないものは上蓋など取りやすいところに入れておこう
カッパなどは天気予報でほぼその位置を決められるが、ヤッケを兼用することが多い、上着だけは取り出しやすい所がいいだろう
行動食や嗜好品、飲水、経験を積んでやってみることだろう
講師から掲示板に追記が有りました。その一部を転記しておきます

今回の講習ではパッキングと軽量化だったので、あえて説明することを避けましたが、性別、年齢、体力、経験等での分担する勾配(重量化と軽量化)もあります。
決して性差別ではないことを理解していただくため、少しだけ書いておきます。
性別による人体構造(筋量、骨量、重心{男性57%、女性55%}、脂肪等)には歴然とした差があります。ということは、パーティー内での性別荷重勾配(男性は負担増、女性は負担減)はCLにとって最も、考慮すべき事項となるわけですが、CL以外にもパーティー全員がそのことを意識しておく必要があります。
                                          
戻る
炉端山友会ホームページにリンク