前鬼道バリエーション

前鬼坂(牛抱坂)と牛抱峠を探索と整備
新宮山彦ぐるーぷにて
2018/03/18
14人
新宮山彦ぐるーぷでは三度に分けて(PDF)、前鬼古道の前鬼坂、牛抱峠の古道探索を行った(PDF)
個人的にも会員が河内長野から駆けつけ数度その道を探索した
前鬼への道は鬼が住んでいたごとく険しくまさに鬼が通る道のようだったのだろう
先ず4枚の地図を見比べて下さい

昭和61年地図(1986)
昭和61年ではまだ廃道ではなかったのかもしれない
前鬼への道は現在の駐車地からつり橋を渡り前鬼谷左岸の道が有った。

休憩含む総タイム
08:35〜15:35

距離4.5km

1976地理院地図コピー
昭和51年では前鬼坂、牛抱峠道は廃道ではなかったようだ

前鬼林道は昭和35年ごろ開通した。
その頃までは生活道として前鬼道(牛抱坂)、牛抱峠は使われていた

2018/03/18探索14人
宝来の鈴さん軌跡
紫線は私の軌跡


山彦グループ全コース探索図
山彦グループのPDFにリンクしておきます
大峰奥駈道の修験の道は世界遺産と成った今も菊の窟、千草岳とう不明な所も多く、その周辺の靡きもハッキリしない所も多い
文字に現さなかった修験道は口伝において歴史を守ってきたが、それは先達として修験道ガイドで生計をたてた人々の知恵だったのかもしれない
奥駈道と里を結んだ道の多くは廃道と成りその姿が見えない
前回探索した小池の宿は十津川の滝川から嫁越峠を越え、前鬼とを結んだ道に有った小池の宿の道は今もって確実な道跡は無い
前鬼の小仲坊主人、五鬼助義之氏が最後の生き証人、道の記憶者だがその記憶は薄い
昔は、200人の住民と五家、五鬼助、五鬼継、五鬼上、五鬼童、五鬼熊、と前鬼、後鬼の子孫の五つの宿坊が有った頃は、今回探索のルートも賑やかだったのだろう
耕作地の小牛を前鬼に持ち込むときに、余りにも道が険しく、小牛が登れなかったのっで抱えて坂を登り越えたのが、この前鬼道、通称牛抱坂だ

前鬼は地名として残り後鬼は名字の五鬼(明治に後を五に改めたと聞く)と成って残る。
1300年を越える歴史の第61代五鬼助家当主の義之氏も記憶から消えつつある前鬼道、牛抱道の復活を願う。
新宮山彦ぐるーぷや大峰奥駈道75靡きの著者、森沢義信氏もこの道の復活を願う一人だ
又、新宮山彦ぐるーぷ相談役の玉岡氏や山上氏はこのルートを通り釈迦ヶ岳に登った経験者だ
又歴史的には、釈迦ヶ岳の釈迦像を一人で持ち上げた強力岡田雅行氏はこの道で釈迦像を持ち上げた。
相当強力だったことが伺える古道だろう
登山者も険路ではあるが、道探索と歴史に思いをはせてみては如何かと感じる古道だった
ルートのほとんどは道が抜け険路で危険箇所も多く、探索者たちは登山経験豊かな方達だ
私のような軟弱者は尾根越えをしてその雰囲気と景色を楽しめば充分なコースだろう
安易な考えで行けるコースでは無い事を書いておきたい。

前鬼口に8時20分に少し遅い集合だが、会員は広範囲に及ぶため時間はそうなってしまう
今回も年齢差は大きいが、高齢者は80歳を持ってフルマラソンを走れる健脚だ
私などは付いて行くのがヤットの軟弱ものだが、読図には自身がある
先ず、前鬼の駐車場に車をデポして、登山開始だが、古地図に載る登山口は擁壁で取り付けない
コンクリの擁壁を見上げながら林道を通ればコンクリの切れ目にソマ道らしいところが見つかる
  
尾根に出るまでは踏み跡のみの斜面で険路だが、ルートはここしかないようだ
一汗流せば尾根に出てシッカリと古道跡が残る。尾根に小さくジグザグと道が残っている
903mまでは険路で油断は出来ない。経験的には神童子谷口からバリコヤの頭に向かう道と同じレベルかもしれない
  
兎に角急傾斜だが、903mまでは道がはっきりと残りルート間違いは無いだろう
ブッシュと岩陵が出だすと、その向こうに小峠山、十郎山と続く尾根が見晴らせる
その下から、不動七重の滝の音がゴーゴーと聞こえ樹間に滝が見える
  
ブッシュの枝を切り払いながら登れば、岩稜のピークが出ればそこが903mピークだ
  
見晴らしは最高で、ここまでは今も古道が残るが、地理院地図はこの少し下に道を記しているが、とても通れるような傾斜じゃない
見晴らしは最高で釈迦ヶ岳から仏性ヶ岳までの奥駈道が見晴らせ美しい
ここで特筆したいのは、喜寿を迎えたリーダーは倒木撤去用にチェンソーを持つ
川島さんすごいねと、チャカせば、誰も持ってやろうとは言わないからなんて返事に笑顔が見える
私は最後部でルートを見ながら全員通過の安全を見守る
  
903mでお昼を楽しみ、景色を楽しむ
ここからが核心部に入ってゆく
今日の一番身軽いであろう梶野会員が、地形図通りのコースで牛抱峠にトラバースを心見ると斜面に入る
私も後に続いたが、その険しさに直ぐに根を上げてリーダーコースに戻った(紫線部分)
  
チェンソーが唸りを上げながら倒木を切り進んでいるようだ。
斜面は立っているのがヤットのコースだ
私なら、尾根越えで牛抱峠に向かうだろう
尾根には役に立たなくなったフェンスが残っている
  
牛抱峠には健脚の梶野氏が先に着いていた。
斜面には僅かに道跡が有ると言うが、私にはとてもあのように早く歩くことは出来ない
ここで記念写真だ
 
ここまでは厳しいと言えば厳しいが、ここからはさらに厳しく、地形図コースはほぼ崩落してそれは無いが、道に準じてウリネ谷にくだる
このトラバースはほぼ問題は無い
  
ここから経験済みのリーダーと梶野氏がルートを指示してくれるが、急傾斜もいいところだ
  
放置されたネットが出てそれに準じる
14人も通れば道が痛みとうとうフィックスを貼る羽目になった
女性会員が必死に滑りをこらえていた
 

兎に角厳しい斜面でこんな所に道が有ったとは考えにくい現代人だ
休場の尾根に出る。
この尾根も木を持ちユックリと下る尾根だろう
傾斜は厳しい
  
途中ではっきりと前鬼道が出るが、その先は崩れていると言う
次回は、ここから前鬼までのトラバースを心見るというリーダー

あと少し 休場の尾根を下る
この尾根もコンパスをシッカリとあわせないと、支尾根に入りこむ
今回も支尾根に少し入りトラバースで尾根を修正した
 
ルートは文章で表現は難しい
地図を参考にコースをお組下さい


戻る