ブレーキスイッチとショウトスイッチ
電車は、止まっていれば事故は有りません。しかし、公園の展示物ではない公共交通は毎日規則正しく動き、安全と正確、そして快適が要求されます。
最優先されるのは安全です。
各社は、安全を第一に、迅速、正確をもっとうに努力していますが、悲しい事故も有ります。
運転乗務員は、与えられた設備と、本人の努力で最大の安全を作るべく、おのおの工夫しています。
もちろん、私も、安全最優先、お客様の人命、財産を乗せて走っている事は、一瞬も忘れることなく乗務していました
最近、退職致しましたので、記憶と経験のHPとなります。
今回は、ブレーキスイッチとショウトスイッチについて簡単に触れたく思います
ショウトスイッチ
(短絡SW)
このSWは、営業運転上必要のないSWですが、
電車の入れ替や、故障、等無ければ動かせない場合があります
簡単に言えば、電車は、ドアが完全に閉まるまで、ノッチを入れっても走りません。電車主モーターの電流をコントロールするカムモーターに電流が供給されません。(今はインバーターによるコントロール車が主流、原理は同じ)
電車を走らすには、ATSが入っている事、ATSに電圧が係っている事(ここに電圧をかけるSWがある)、車掌室のドラムSWが後ろである事、運転室のドラムSWが前である事等、厳しい条件があります。ワンマン電車に置いても同じです
各SW類。
ドラムSW(各種類がある)
もし電車の扉が何らかの理由で完全に閉まらなかったり各扉に付いているインターロックSWが故障したりすると電車は走れない
もし、扉に人がはさまっていたり、閉まっていないと危険です
そのためのシステムです。。車掌さんは扉が完全に閉まった事は電車の側壁に付けられた知らせ灯で確認、運転士は運転台の知らせ灯で確認、発車合図を車掌が運転士に送り電車のノッチを入れる。
安全は二重三重です。しかしもし扉が閉まらなかったり、インターロックが故障したりすると走れません
そんなときは、ショウトSWを入れます。これは車掌さんの確認に最大の注意力に安全がかかっています。
しかし最低、電車を止めておく設備の駅までは運転する必要があります。
又、お客様が少なく、車両を移動して頂き故障車に安全係員を配置などして運転をする場合が生まれます
ショウトSWは又検車係員や、駅の番線移動入れ替えなどの時に使用しますが営業運転中は故障が起こらない限り入れません
簡単に言えば、安全回路をショウト、つまり短絡さして、電流を流し走らせます。
ショウトSWはATSと同じ位の安全SWと言えるでしょう
ブレーキSWは、ブレーキ系統の電流供給SWです。
現在は、各車両に電気信号において必要ブレーキ空気圧力を供給していますが、まだ大半の電車は空気圧力と電気信号の併用で一定空気圧を各車に送ります。詳しくは書きませんが、ストレートパイプと言う引き通し管が有ります。
先ず、ブレーキハンドルで運転士は一定圧力をかけます。
ブレーキハンドル
それを電空制御器に電気信号を送ります。
電空制御器
ここで作られた電気信号を各車両の空気圧力発生装置に送り各車両の必要ブレーキ圧力が生まれます
簡単な説明ですがザッとこんな物です
ブレーキシリンダーとブレーキシュウ
もしブレーキスイッチが入っていないと通常のブレ−キは働きません
非常ブレーキが働きます
電車ではもっとも必要なSWと言えるでしょう
もちろん電車のSW類に不必要な物はありません
乗務員は、完全な確認で常務に就いています。責任の重い仕事です。