2006/10/15 トロンパス 5416m |
「トロンパス 5416m」
10月15日 晴れ
いよいよ今日はトロンパス越えだ。5416mは半端な高度ではない。昨夜、ガイドのマンシンはロッジが満室で、ガイドやポーター用の食堂の壁にもたれて眠ったらしい。ストーブも無くブランケットも足りず、服だけで眠ったらしいが、-10℃を超える寒さの中ほとんど眠れなかったらしい。マンシンは優しい人で、ポーター達は重い荷物を担ぎ疲れるため、自分はブランケットはいらないと、ブランケットをポーターに廻したらしい。夜中にマンシンが寒そうにしているのを見た一人のポーターが、自分の分をわけてかけてくれたらしい。山岳ガイドやポーター達は、優しい人が多い。 朝5時、外は-10℃以下だろう。私の簡易温度計は-12℃を指していた。予定では4時に出発予定でしたが、私が少し寝過ごした。私もほとんど眠れず、朝方少しまどろんだのだろう。暗闇の中おのおのライトで照らしながら、傾斜のある巻き道を登って行く。私は思ったより快調に足が動く。 ユックリユックリ、ビスタリービスタリーと登って行く。最初は一列にライトが並んでいたが、だんだんとライトの間隔が広がり出す。ショウタンは快調だが、タンタラさんにはかなわない、私の荷物と自分の荷物で20kgすこしか。私は7〜8kgに抑えている。この力の差はプロとアマの違いだろう。手と顔が冷たい。風があまり吹かなかったのが助かる。それでも冷たい。1時間ほどで最初の茶店に着いた。 マンシングさんが遅れている。体調が悪そうだ。3人で茶をして暖まる。 緩やかな登りだが、高度のため速く歩くのは呼吸が苦しい。ユックリが基本だ。しばらく歩くと前と後ろに人がいない。あれだけ沢山スタートしたがバラバラ状態だ。タンタラさんが先に行って姿が見えない。マンシンは遅れている。時々現れる急坂は、よりユックリ歩かないと息が苦しい。途中で少し呼吸を整えていると、下の方にマンシンの姿が見えた。相当疲れているようだ。マンシンの到着を待って体調を訪ねると、高山病のため頭痛が激しいらしい。昨夜はほとんど眠れず、体調を崩したらしい。バイオモックス(高山病の薬)を飲むように進めるが、何でも大丈夫と言うマンシン飲むはずがない。先に行けと言う。マイベースで登った。2時間30分ほどでデオラリに着いた。トロン峠はデオラリと呼ばれ、一軒の茶店がある。タンタラさんが待っていた。 マンシングは来ない。私はKhatung kangの下にある小ピークに登ってマンシングを待つことにする。ここからの景色は最高、ムスタンが見える。 マンシンが登ってきた。流石だ。苦しそうだが、私のことを気遣ってくれた。 |
続く |